「僕僕先生」仁木英之
ファンタジーノベル大賞の受賞作というだけあって、
下手ではない。
設定もいいし、そこそこ読める。
でも、今までの受賞作に感じられた、
凄みというか、アクというかが感じられなくて、
少々退屈だった。
日本ファンタジーノベル大賞と言えば、
大人のエンターテイメントという雰囲気を持つ、
少しばかり小難しいが、実力者揃いという賞だった。
あの六番目の小夜子が受賞を逃したほどだったはず。
けれども、この作品は軽くて大衆的。
次点に選ばれるならばいいけれど、
大賞がこれか、という残念感は否めない。
表紙はかわいらしくて、
女性読者をターゲットにしているのかと思いきや、
ノリはオヤジっぽかったし。
次回の受賞作は、大好きか大嫌いかの両極端に分かれるくらい、
個性的な作品が選ばれて欲しい。
ファンタジーノベル大賞の受賞作というだけあって、
下手ではない。
設定もいいし、そこそこ読める。
でも、今までの受賞作に感じられた、
凄みというか、アクというかが感じられなくて、
少々退屈だった。
日本ファンタジーノベル大賞と言えば、
大人のエンターテイメントという雰囲気を持つ、
少しばかり小難しいが、実力者揃いという賞だった。
あの六番目の小夜子が受賞を逃したほどだったはず。
けれども、この作品は軽くて大衆的。
次点に選ばれるならばいいけれど、
大賞がこれか、という残念感は否めない。
表紙はかわいらしくて、
女性読者をターゲットにしているのかと思いきや、
ノリはオヤジっぽかったし。
次回の受賞作は、大好きか大嫌いかの両極端に分かれるくらい、
個性的な作品が選ばれて欲しい。
![]() | 僕僕先生 仁木 英之 (2006/11/21) 新潮社 この商品の詳細を見る |
「がらくた」江國香織
何てことのない普通の日常生活なのに、
江國さんの手にかかると、
優雅で、クールで、
そしてちょっと変わった世界に見えてきます。
登場人物と、同じ場所を旅しても、
同じ物を食べても、同じ本を読んでも、
実際はこうはならない。
でも、江國さんの小説みたいだったらなあ・・・と、
憧れる人って多いのではないでしょうか。
せめて、本を読んでいる間だけでも、と
ちょっといいお酒を片手に読了しました。
(単に飲みたかっただけなんだけど)
何てことのない普通の日常生活なのに、
江國さんの手にかかると、
優雅で、クールで、
そしてちょっと変わった世界に見えてきます。
登場人物と、同じ場所を旅しても、
同じ物を食べても、同じ本を読んでも、
実際はこうはならない。
でも、江國さんの小説みたいだったらなあ・・・と、
憧れる人って多いのではないでしょうか。
せめて、本を読んでいる間だけでも、と
ちょっといいお酒を片手に読了しました。
(単に飲みたかっただけなんだけど)
![]() | がらくた 江國 香織 (2007/05) 新潮社 この商品の詳細を見る |
「落下する花」太田忠司
人が亡くなる時、必ず月導が現れる。
それは、物だったり、匂いだったり、音だったりして、
故人の、人となりや人生に関係する物ではない。
月導、そして月導から故人の最期の思いを読み取る月読、
という設定が、とても面白い。
氷柱みたいな月導や、雷、ガス状の物など、
不思議な物が次々に現れて、
自分だったら果たしてどんな月導になるんだろう?
と、想像してしまった。
でも、自分が最期に思っていた事が、
他の人に知られてしまうなんて、
変な置き土産をしてくようで、
なんか気恥ずかしいですね。
人が亡くなる時、必ず月導が現れる。
それは、物だったり、匂いだったり、音だったりして、
故人の、人となりや人生に関係する物ではない。
月導、そして月導から故人の最期の思いを読み取る月読、
という設定が、とても面白い。
氷柱みたいな月導や、雷、ガス状の物など、
不思議な物が次々に現れて、
自分だったら果たしてどんな月導になるんだろう?
と、想像してしまった。
でも、自分が最期に思っていた事が、
他の人に知られてしまうなんて、
変な置き土産をしてくようで、
なんか気恥ずかしいですね。
![]() | 落下する花―月読 太田 忠司 (2007/03) 文藝春秋 この商品の詳細を見る |
![]() | 月読(つくよみ) (本格ミステリ・マスターズ) 太田 忠司 (2005/01) 文藝春秋 この商品の詳細を見る |
「溶ける街 透ける路」 多和田葉子
まずは装丁に惚れました。
思わず手にとってしまう、美しい装丁。
実に私の好み、一直線!でした。
そして、美しい装丁に合う美しい文章。
海外の言語をベースとした、日本人作家さんの文章って、
独特のテイストが有って大好きなのです。
梨木香歩さんとか、法月ゆりさんとか、青木奈緒さんとか。
簡潔で、潔く、美しい。
男性なのに、女性よりも美しい仕草を持つ、
女形のような、そんな感じなのでしょうか。
本書は、各国の街を訪ね歩いたエッセイなのですが、
いわゆる旅行記を読んだ時よりも、
見知らぬ街に旅をしたような、そんな感覚にさせられました。
まずは装丁に惚れました。
思わず手にとってしまう、美しい装丁。
実に私の好み、一直線!でした。
そして、美しい装丁に合う美しい文章。
海外の言語をベースとした、日本人作家さんの文章って、
独特のテイストが有って大好きなのです。
梨木香歩さんとか、法月ゆりさんとか、青木奈緒さんとか。
簡潔で、潔く、美しい。
男性なのに、女性よりも美しい仕草を持つ、
女形のような、そんな感じなのでしょうか。
本書は、各国の街を訪ね歩いたエッセイなのですが、
いわゆる旅行記を読んだ時よりも、
見知らぬ街に旅をしたような、そんな感覚にさせられました。
![]() | 溶ける街透ける路 多和田 葉子 (2007/05) 日本経済新聞出版社 この商品の詳細を見る |
「Gボーイズ冬戦争」石田衣良
このシリーズも長い。
スタート時は、こういう系も有りかと
新鮮に思って読んでいたけれど、
もういい加減、古くさく感じてきた。
ストリートのガキだった主人公が、
様々な人や事件を通して成長していく所が良かったのに、
既に成長なんていう年齢ではなくなってきているし、
時事ネタを取り上げてはいるものの、
掘り下げ方が浅過ぎて、ペラペラ。
これで終わりかよ?と呆れてしまうストーリーばかり。
そもそも石田衣良って、世間で評価されているほどの
実力があるのだろうか?
得意の連作短編はこれだし、長編もいまいちな物ばかり。
顔を売ることよりも、本業に専念しては?と思ってしまう。
でも、世間が求めている、“売れる小説”って、
こういう軽い物なのかもしれないですね。
このシリーズも長い。
スタート時は、こういう系も有りかと
新鮮に思って読んでいたけれど、
もういい加減、古くさく感じてきた。
ストリートのガキだった主人公が、
様々な人や事件を通して成長していく所が良かったのに、
既に成長なんていう年齢ではなくなってきているし、
時事ネタを取り上げてはいるものの、
掘り下げ方が浅過ぎて、ペラペラ。
これで終わりかよ?と呆れてしまうストーリーばかり。
そもそも石田衣良って、世間で評価されているほどの
実力があるのだろうか?
得意の連作短編はこれだし、長編もいまいちな物ばかり。
顔を売ることよりも、本業に専念しては?と思ってしまう。
でも、世間が求めている、“売れる小説”って、
こういう軽い物なのかもしれないですね。
![]() | Gボーイズ冬戦争―池袋ウエストゲートパーク7 石田 衣良 (2007/04) 文藝春秋 この商品の詳細を見る |
「正義のミカタ」本多孝好
真夜中の五分前が2004年だったので、
ほぼ3年振り、本多孝好さんの新作でした。
ずいぶん路線を変えてきたな〜という印象ですが、
嫌いじゃないです。
どちらかというと、エンターテイメント寄りで、
親しみ易い、読み易い、五十嵐貴久路線。
今までは、スマートな印象の本多孝好でしたが、
かっこ悪い部分も持っている、
一般的な人物を描くのもいいんだな〜と思いました。
元々、力のある作家さんなので、
レンジを広く持って、楽しませて貰いたいです。
真夜中の五分前が2004年だったので、
ほぼ3年振り、本多孝好さんの新作でした。
ずいぶん路線を変えてきたな〜という印象ですが、
嫌いじゃないです。
どちらかというと、エンターテイメント寄りで、
親しみ易い、読み易い、五十嵐貴久路線。
今までは、スマートな印象の本多孝好でしたが、
かっこ悪い部分も持っている、
一般的な人物を描くのもいいんだな〜と思いました。
元々、力のある作家さんなので、
レンジを広く持って、楽しませて貰いたいです。
![]() | 正義のミカタ―I’m a loser 本多 孝好 (2007/05) 双葉社 この商品の詳細を見る |
「玻璃の天」北村薫
久々の、北村薫のミステリ。
このまま純文へ行ってしまうのか?
まさか、純文でビックな賞をとってしまうのか??
と心配していましたが、
ようやっとミステリに帰って来てくれました。
本書は、“街の灯”の続編になるのですが、
前作よりも更に北村薫らしい、
私としては少々とっつきにくい世界になっておりました。
それはそれでいいのですが、
たま〜に、“盤上の敵”とか、時の三部作とか、
ああいう親しみやすい作品も恋しくなります。
ともあれ、北村薫はミステリ。
純文の作家さんで、美しい文章を書ける人は
沢山いらっしゃいますが、
美しい文章でミステリを書く人って少ないので。
ミステリ作家として、御大でいて欲しいです。
久々の、北村薫のミステリ。
このまま純文へ行ってしまうのか?
まさか、純文でビックな賞をとってしまうのか??
と心配していましたが、
ようやっとミステリに帰って来てくれました。
本書は、“街の灯”の続編になるのですが、
前作よりも更に北村薫らしい、
私としては少々とっつきにくい世界になっておりました。
それはそれでいいのですが、
たま〜に、“盤上の敵”とか、時の三部作とか、
ああいう親しみやすい作品も恋しくなります。
ともあれ、北村薫はミステリ。
純文の作家さんで、美しい文章を書ける人は
沢山いらっしゃいますが、
美しい文章でミステリを書く人って少ないので。
ミステリ作家として、御大でいて欲しいです。
![]() | 玻璃の天 北村 薫 (2007/04) 文藝春秋 この商品の詳細を見る |
「エロマンガ島の三人」長嶋有
とにかく長嶋有は大好きです。
辛いとき、理不尽を感じるとき、キレそうなとき、
長嶋有さんの作品を読むと、
ま〜いっか〜・・・って気分になれます。
一見、いい加減に書いていそうな文なのですが、
本当は、なかなか深い。
何度も読み返して、後から真意を(もしくは共感できる部位を)
感じたりもする。
今回の、“エロマンガ島の三人”は、
思わず手に取ってしまう題名なのですが、
まずは帯文句にぐっときました。
この夏、避暑地で、ホテルのバーで、
本を読んでいる美しい女性に声をかけようとしたら、
手にしている本がこの本だった!
というシチュエーション、切に希望します。
とにかく長嶋有は大好きです。
辛いとき、理不尽を感じるとき、キレそうなとき、
長嶋有さんの作品を読むと、
ま〜いっか〜・・・って気分になれます。
一見、いい加減に書いていそうな文なのですが、
本当は、なかなか深い。
何度も読み返して、後から真意を(もしくは共感できる部位を)
感じたりもする。
今回の、“エロマンガ島の三人”は、
思わず手に取ってしまう題名なのですが、
まずは帯文句にぐっときました。
この夏、避暑地で、ホテルのバーで、
本を読んでいる美しい女性に声をかけようとしたら、
手にしている本がこの本だった!
というシチュエーション、切に希望します。
![]() | エロマンガ島の三人 長嶋有異色作品集 長嶋 有 (2007/05/31) エンターブレイン この商品の詳細を見る |
「ふたつめの月」近藤史恵
女性のミステリ作家さんには、
男女ともにファンがいる方と、
圧倒的に女性ファンが多い方がいらっしゃいますが、
近藤史恵さんは後者だと思います。
ミステリの部分と、女の人が抱えている様々な問題が、
半々くらいの比重で描かれていて、
それも結構深刻で重たい。
心やら体やらのコンプレックス・悩み等、
男の人が読んでも、なんだそりゃ?と思うような内容が
びしびし出てきます。
近藤史恵さんの作品のうち、苦手だと思う物も、
いいなあと思う物も、どちらの理由も重過ぎる事。
何のかんの言いつつ、結局、次作にも手を伸ばしてしまうのです。
“ふたつめの月”は、“賢者はベンチで思索する”の続編となりますが、
このシリーズは読み易いです。
女性のミステリ作家さんには、
男女ともにファンがいる方と、
圧倒的に女性ファンが多い方がいらっしゃいますが、
近藤史恵さんは後者だと思います。
ミステリの部分と、女の人が抱えている様々な問題が、
半々くらいの比重で描かれていて、
それも結構深刻で重たい。
心やら体やらのコンプレックス・悩み等、
男の人が読んでも、なんだそりゃ?と思うような内容が
びしびし出てきます。
近藤史恵さんの作品のうち、苦手だと思う物も、
いいなあと思う物も、どちらの理由も重過ぎる事。
何のかんの言いつつ、結局、次作にも手を伸ばしてしまうのです。
“ふたつめの月”は、“賢者はベンチで思索する”の続編となりますが、
このシリーズは読み易いです。
![]() | ふたつめの月 近藤 史恵 (2007/05) 文藝春秋 この商品の詳細を見る |
![]() | 賢者はベンチで思索する 近藤 史恵 (2005/05/26) 文藝春秋 この商品の詳細を見る |
「ドリームバスター4」宮部みゆき
私にとって、宮部みゆきさんの本は、
時代物>現代物>ファンタジーです。
時代物は、宮部みゆきさんの持つ、
真面目で、人情に厚い個性がマッチしていて、
雰囲気が良しです。長過ぎの物は嫌だけど。
現代物は、ちょっと泥臭く感じてしまって、
肩が凝ってしまいます。
特に長編はまどろっこしい。
それが持ち味なのかもしれないけれど、
余分な部分が多すぎる!話が進まない!
と、思わず斜め読みしたくなります。
火車はよかったなあ。あと、中編&短編は好きです。
ファンタジーなのですが、
あの文科省推薦的なキャラクター達がダメ・・・。
登場人物が、どんな境遇の設定でも、
みんなできすぎ君みたいに感じちゃうんですよね。
ファンタジーなんだから、もっと魅力のあるキャラで、
スピード感あふれるストーリーで、
独特の世界観を描いて欲しい、などど文句を言いたくなります。
そんなわけで、ドリームバスター4も、
相変わらず、宮部みゆき的ファンタジーだなあと思ってしまいました。
ちなみに、1番好きなのは、“初ものがたり”です。
先日、お料理を実際に作ったという本を見ましたが、
レシピが載っていなくて残念!でした。
私にとって、宮部みゆきさんの本は、
時代物>現代物>ファンタジーです。
時代物は、宮部みゆきさんの持つ、
真面目で、人情に厚い個性がマッチしていて、
雰囲気が良しです。長過ぎの物は嫌だけど。
現代物は、ちょっと泥臭く感じてしまって、
肩が凝ってしまいます。
特に長編はまどろっこしい。
それが持ち味なのかもしれないけれど、
余分な部分が多すぎる!話が進まない!
と、思わず斜め読みしたくなります。
火車はよかったなあ。あと、中編&短編は好きです。
ファンタジーなのですが、
あの文科省推薦的なキャラクター達がダメ・・・。
登場人物が、どんな境遇の設定でも、
みんなできすぎ君みたいに感じちゃうんですよね。
ファンタジーなんだから、もっと魅力のあるキャラで、
スピード感あふれるストーリーで、
独特の世界観を描いて欲しい、などど文句を言いたくなります。
そんなわけで、ドリームバスター4も、
相変わらず、宮部みゆき的ファンタジーだなあと思ってしまいました。
ちなみに、1番好きなのは、“初ものがたり”です。
先日、お料理を実際に作ったという本を見ましたが、
レシピが載っていなくて残念!でした。
![]() | ドリームバスター 4 (4) 宮部 みゆき (2007/05) 徳間書店 この商品の詳細を見る |
![]() | 初ものがたり 宮部 みゆき (1995/07) PHP研究所 この商品の詳細を見る |
「中等部超能力戦争」藤野千夜
漢字オンリーのタイトルにぐっときてしまい、
凄く期待したのですが、
内容はごくごく普通の、中学生友情ネタでした。
藤野千夜さんだもんなあ・・・。
女の子って、仲良さそうに見えて、
実はすっごく仲が悪かったり、
優しい口調なのに、よく聞いていると残酷な事を言ってたり。
どろどろしてるのが怖い。
女流作家さんの、こういう系の本って
読了感が悪くて苦手です。
読み易さは抜群なのですが。
どなたか、このタイトルで、
密度の高いエンターテイメントを書いてくれないかなあ・・・。
漢字オンリーのタイトルにぐっときてしまい、
凄く期待したのですが、
内容はごくごく普通の、中学生友情ネタでした。
藤野千夜さんだもんなあ・・・。
女の子って、仲良さそうに見えて、
実はすっごく仲が悪かったり、
優しい口調なのに、よく聞いていると残酷な事を言ってたり。
どろどろしてるのが怖い。
女流作家さんの、こういう系の本って
読了感が悪くて苦手です。
読み易さは抜群なのですが。
どなたか、このタイトルで、
密度の高いエンターテイメントを書いてくれないかなあ・・・。
![]() | 中等部超能力戦争 藤野 千夜 (2007/05) 双葉社 この商品の詳細を見る |















